Sonyが発表した意欲作、スマホと接続できるレンズカメラQXシリーズ。
「レンズスタイルカメラ」を発売
円柱状の躯体に、カメラのセンサーとレンズを収め、そのままカメラとして使用することも、
スマホとWi-Fi並びにNFCで接続し、アプリ経由で撮影。更に撮影した画像をスマホに飛ばしSNSにアップロードといった使い方も出来るSONYが提示した新しいカメラの形。
既にSamsungもこの市場に参入することを表明しています。
日本に先駆け北米では販売が開始されましたが、ソニーストア、Amazon、BestBuy等大手の販売店で在庫切れを起こしているところ、
最寄りの個人経営店には入荷しており、Sony USAのテクニシャンも商品説明に駆けつけているので早速弄りに行ってみました。
QX-100とQX-10
まずはQX-100の作例。
ソニーの高級コンデジ最新鋭機RX-100m2をシェイプダウンし新製品に収めてきたQXシリーズの高級クラス。
QX-100でQX-10を撮影。
撮影アプリのPlaymemoriesの操作に手間取り、作例としてはあまりよろしくない写真しか残っていませんでしたね(汗
しかし解像は流石にRX-100m2を小型化しただけありますね。
のはずが。
Sonyのおっちゃん曰く、
"裏面照射型CMOS搭載しているけれど、
実は中身はRX100m2ではなくRX100"と暴露されえぇぇ?と戸惑いも。
あと非ズーム時のワイド端は5cmまで寄れるのですが、ズーム時のテレ端では55cmより寄れず、小物撮影時は寄ったり離れたり立ち位置の調整がシビアです。
デザインは横幅は狭いのですが、縦に長く円柱状の形状ということもあり、ポケットには入れられません。
バッグに入れて持ち歩くスタイルになってしまうことから、手軽さを失うならこれを買うのだったらRX100を買うかなという印象。
日本ではバッグを持ち歩くのであまり問題はなさそうですね。
次はQX-10
こちらはエントリーモデルのコンデジと中身は同等ですが、光学10倍ズームというスマホでは物理的にどうやっても届かない機能が特徴。
これがズームしていない状態の広角側。
そして上の画像をズームした結果がこちら。
これは凄くないですか?!
元々僕自身はQX-100よりもQX-10に魅力を感じていて贔屓目もありますが、
スマホのカメラの性能も上がっているとはいえ、ズームをしてここまで解像出来るのは不可能ですよ。
そもそもスマホでは10倍ズームなんて出来ませんね!
もういっちょ作例を。
ふてぶてしく背中を見せつけているこのお店の看板わんこが
ここまで寄れちゃいます! 立ち位置は一切変わっていませんよ!
QX-10は起動するとレンズがにょきっと突出してきますが、持ち運びの際はコンデジより少し厚い位なので、これならポケットに入れて持ち歩き、スマホとの相性もよさそうです。
このレンズカメラはスマホと無線接続すれば、レンズとスマホを切り離した状態でもスマホで何が写っているのか確認出来るので、今までのカメラでは想像もつかなかった利用法が現れるかもしれません。(目が届かないところの確認や、ライブでの撮影等)
しかしこのレンズカメラ、現状だとまだまだ改善の余地があります。
まずは無線接続が不安定な点。
QXシリーズが使用しているWi-Fiが2.4GHz帯のIEEE 801.11nという代物なのですが、
これは一般的に最も使われている周波数帯で、Wi-Fiだけに限らず多くの無線機器が使用しています。
その為、都会などの人が集まるエリアでは回線が混雑しており、接続するまで長い時間が掛かります。
簡単に言ってしまえば、カメラと接続しようにも帰省ラッシュの渋滞の中から目的の車を探すようなものになっています。
また、それだけ混雑している状態だと回線も安定せず、今回のお店ですら度々接続が途切れる事がありました。
更にこれは回線の混雑状況によって変わるのかは不明ですが、実際にレンズが捉えている場面と、スマホの画面にはタイムラグがあり、これが今自分は何を撮っているのか混乱させます。
このフィードバックのズレがカメラのアングル調整の壁となっています。
故に、接続の安定性とタイムラグの現象が最も大きな課題でしょう。
次の課題はレンズカメラ本体ではなくアプリです。
PlayMemories for Mobileというアプリを経由すれば高級コンデジや一眼タイプの様に様々な調整をしながら撮影できます。
特にタッチパネルでフォーカスの調整が出来るのはスマホでもお馴染みのスタイルです。
しかしこのアプリ、どうもタッチの認識が大雑把です。
狙った場所をタッチしても若干ズレて何度同じ所をタッチしても大雑把に捉えてはくれるのですが、スマホのカメラアプリ程の認識はしてくれません。
これがQX-100で接写した時に、QX-100の寄り過ぎても撮れず、離れすぎても撮れずのジレンマとがっつり組み合わさり、どうにも忍耐の要る溜まる動作をします。
アプリからフォーカスをオートではなくマニュアルに変更も出来るので、そちらを利用すれば済む話ですが、やはりオートフォーカスが狙ったところを認識してくれないのは中々ストレスが溜まります。
これもアプリのアップデートで解決は出来る話なのですが、経験上どうもSONYはアプリの開発は下手という印象が強くあまり希望が持てません。
脇道に逸れますが、SONYはMusicUnlimitedという音楽配信サービスも実施しています。
これはブラウザ、もしくは専用のアプリを用いて利用できるのですが、なんと配信から2年近く経っているのに、音楽を聴くなら当たり前の「早送り」「巻き戻し」が未だにありません!
「曲飛ばし」と「曲戻し」はあります。しかしそれがあるのに上記の基本的な機能がすっぽぬけています!これではラジオです!
レビューでも散々早送りと巻き戻しの追加を書かれていますが、アップデートが遅く、更にその殆どもバグ修正という内容です。
何故か最近「シャッフル機能」追加という斜め上のアップデートをかましてきました。それより先に追加するものがあるだろうと。おたくら正気か。
とまぁこの通りアプリ開発には不安がよぎるのですが、平井さん態勢の下、かつ新製品ということもあり、Music Unlimitedと同じ轍は踏まずアップデートを頻繁に繰り返してほしいものです。
後は箱の形です。 QX自体はそれほど大きくないのに箱が異常なでかさです。しかも円形。
カメラに限らず一般的な箱は四角形です。しかしこの箱は丸い。回る回るくるくる回る。
この形を見てカメラ店の店員が名づけた名前が"Lens Storage Nightmare (保管庫の悪夢)"
オサレな形ですがせめてもう少し小さくするか、四角にして欲しいですね。
問題提起が長くなりましたが、QX-100、QX-10共に新しい可能性を模索したSONYの意欲が汲み取れる面白いガジェットです。
突拍子もないカメラのようにも思えますが、これは最近のカメラの進化を省みると順当な進化とわかります。
今はまだ第一歩を踏み出したばかりでまだ欠点も見られますが、平井さんの力によりOne Sonyをスローガンに掲げ勢いのある今のSONYなら、更に面白い環境を作ってくれるのではと期待しています。
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